身体障害者手帳 肢体不自由 障害程度等級表解説

2 各項解説


(1)上肢不自由

ア ー上肢の機能障害

(ア) 「全廃」(2級) とは、肩関節、肘関節、手関節、手指の全ての機能を全廃したものをいう。

(イ) 「著しい障害」(3級) とは、握る、摘む、なでる(手、指先の機能)、物を持ち上げる、運ぶ、投げる、押す、ひっぱる(腕の機能)等の機能の著しい障害をいう。
具体的な例は次のとおりである。
  a. 機能障害のある上肢では5 kg 以内のものしか下げることができないもの。この際荷物は手指で握っても肘でつり下げてもよい。
  b. 一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうちいずれか二関節の機能を全廃したもの

(ウ) 「軽度の障害」(7級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 精密な運動のできないもの
  b. 機能障害のある上肢では10kg 以内のものしか下げることのできないもの。

イ 肩関節の機能障害

(ア) 「全廃」(4級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域30度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで2以下のもの
  c. 人工骨頭又は人工関節を用いたもの

(イ) 「著しい障害」(5級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域60度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで3に相当するもの

(ウ) 「軽度の障害」(7級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域90度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで4に相当するもの

ウ 肘関節の機能障害

(ア) 「全廃」(4級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域10 度以下のもの
  b. 高度の動揺関節
  c. 徒手筋力テストで2以下のもの
  d. 人工関節を用いたもの

(イ) 「著しい障害」(5級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域30 度以下のもの
  b. 中等度の動揺関節
  c. 徒手筋力テストで3に相当するもの
  d. 前腕の回内及び回外運動が可動域10度以下のもの

(ウ) 「軽度の障害」(7級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域90 度以下のもの
  b. 軽度の動揺関節
  c. 徒手筋力テストで4に相当するもの

エ 手関節の機能障害

(ア) 「全廃」(4級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域10度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで2以下のもの

(イ) 「著しい障害」(5級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域30 度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで3に相当するもの

(ウ) 「軽度の障害」(7級)の具体的な例は次のとおりである。
  a. 関節可動域90 度以下のもの
  b. 徒手筋力テストで4に相当するもの

オ 手指の機能障害

(ア) 手指の機能障害の判定には次の注意が必要である。
  a. 機能障害のある指の数が増すにつれて幾何学的にその障害は重くなる。
  b. おや指、次いでひとさし指の機能は特に重要である。
  c. おや指の機能障害は摘む、握る等の機能を特に考慮して、その障害の重さを定めなければならない。

(イ) 一側の五指全体の機能障害

  a. 「全廃」(3級)の具体的な例は次のとおりである。
   @ 機能障害のある手で掴む、握る等の指の動作が全くできないもの
   A 機能障害のある手の握力が0kgのもの

  b 「著しい障害」(4級)の具体的な例は次のとおりである。
   @ 機能障害のある手で5kg 以内のものしか下げることのできないもの
   A 機能障害のある手の握力が5kg 以内のもの

  c. 「軽度の障害」(7級)の具体的な例は次のとおりである。
   @ 精密な運動のできないもの
   A 機能障害のある手では10kg以内のものしか下げることのできないもの
   B 機能障害のある手の握力が15kg 以内のもの

(ウ) 各指の機能障害

  a.「全廃」の具体的な例は次のとおりである。
   @ 各々の関節の可動域10 度以下のもの
   A 徒手筋力テストで2 以下のもの


  b 「著しい障害」の具体的な例は次のとおりである。
   @ 各々の関節の可動域30 度以下のもの
   A 徒手筋力テストで3 に相当するもの


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